世界中のグループ会社に誇る変革を成し遂げ
「Good Company Awards」を受賞
2023年2月、札幌センターの佐藤沙里奈は、ホテル椿山荘のステージ上で、名誉あるトロフィーを手にしていた。
佐藤がリーダーとなって牽引した「自賠責ダイレクト業務」プロジェクトが、東京海上グループ共通の価値観、“To Be a Good Company”を体現する優れた取り組みとして、「Good Company Awards」を受賞したのである。受賞は2021年だったが、当時はコロナ禍だったこともあり、対面での表彰式が行われたのは2023年になってからだった。

「東京海上日動の営業担当の業務量削減に大きく貢献したことに加え、ダイレクト活用率90%以上という浸透度の高さも評価されました。札幌・仙台・福岡のプロジェクトメンバーだけでなく、委託元である東京海上日動や代理店さんといった皆さんの協力があってこその受賞でした。」と佐藤は当時を振り返る。
新型コロナがきっかけで突如発生した問題
大掛かりな業務移行プロジェクトがスタート
2020年4月、新型コロナウィルスが世界中を震撼させ、経済活動の停滞を余儀なくされた。保険業界もその例外ではなく、対面での対応が困難になったことを機に、非対面化へと舵を切る。
「自賠責保険においても、基本的に対面で行っていた異動・再発行・解約の手続きを非対面で可能にすることが急務でした。それに伴って、この業務自体を当社がすべて引き受けることになったのです。」
これまでは東京海上日動の営業担当を後方でサポートしていたが、今後は東京海上日動事務アウトソーシングが前面に立ち、契約者や代理店と直接やり取りをしながら手続きを進めることになる。対面で行ってきた業務を非対面化するため、これまでの事務プロセスを根本から見直す必要があった。そのビッグプロジェクトのリーダーに抜擢されたのが、札幌センターの自賠責チームに所属していた佐藤だったのだ。
「今までいくつかのプロジェクトを担当したことはありますが、ここまで規模の大きなものは初めてでしたので、正直不安の方が大きかったです。通常業務をこなしながらやり切ることができるのか、といった心配もありました。」
どうすれば非対面でも精度の高いサービスを提供できるのか。2021年6月のスタートに向けて、佐藤たちの模索の日々が始まった。

次から次へと直面する数々の困難
乗り切るにはセンター全体の協力が不可欠だった
準備期間も、そしてダイレクト対応を開始してからも、決して順風満帆ではなかったと言う。
「オンライン手続きの入口となるホームページの構成は、委託元へ相談しつつ制作会社に要望を伝えていきました。いつもこちらの要望が通るわけではなかったですし、実際に業務がスタートした後、ご契約者の方や代理店さんから厳しい意見をいただきながらブラッシュアップを重ねました。トライ&エラーでちょっとずつ前進していく感じですね。」
また、ともにダイレクト対応を担う仙台・福岡の両センターとの進捗管理も重要だった。それぞれが考えるベストなやり方がある中で、スピード感を損なわず落とし所を見つけ、合意形成することの難しさを痛感したという。
さらに佐藤は、圧倒的な人員不足に直面する。

「通常の自賠責業務にダイレクト対応がプラスになったので、何をするにも人手が足りない。最初はチームメンバーだけでなんとかしていましたが、これはどうにもならないと思い、すぐに他チームを巻き込むことにしました。人員不足が原因でミスが発生することもありますし、事態が悪化してしまう前に、どんどん他のチームリーダーや管理職に状況を伝えていったんです。」
その結果、他チームから続々と応援が駆けつけ、今や自賠責チームだけでなく札幌センターのほとんどが、「自賠責業務は任せて!」と言えるほどになったという。
そして業務開始後も粘り強く改善を重ね続け、ついにダイレクトの活用率は90%を突破。目に見える数値としてプロジェクトが評価され、栄誉ある賞の受賞へと繋がったのだ。
その素晴らしい成功体験に甘んじることなく、佐藤は次のプロジェクトに向かって走り出している。「変化のスピードが速い時代ですから、常に全力投球、全力疾走です。」と清々しい笑顔を見せた。