「新しいことに挑戦したい」
数ヶ月前のアンケートがきっかけに
2021年4月に新卒で入社した、仙台センター所属の松島杏。ようやく業務にも慣れ、少しずつ力がついてきたという手応えを感じ始めていた2022年の秋、ある日管理職に声をかけられた。
「インボイス制度の導入に伴って新規業務の受託が決まったのだけれど、松島さんが担当してみない?」
「入社からまだわずか1年半ほどの自分が、そんな重責を?」松島は驚くと同時に、数ヶ月前のある出来事を思い出していた。社内で実施されたアンケート調査で、「新しいことに挑戦してみたい」と回答していたのだ。
「あのアンケートで伝えた自分の希望が尊重されて、これほど素早く反応してもらえるなんて、本当に驚きました。」
しかも札幌・仙台・多摩・幕張・大阪・福岡の計6拠点を横断する大規模プロジェクトで、対応件数が最も多い仙台センターが全国を統括するのだという。
「仙台センターの窓口というだけでなく、全国6拠点の統括担当として委託元の東京海上日動と様々な交渉や調整をする役割も担うと聞いて、さらに驚きました。こんな新人に務まるのかという不安はありましたが、それよりも挑戦してみたい!という気持ちの方が強かったですね。」と松島は当時を思い返す。

前提の異なる複数センターとの協働
互いの状況を「見える化」して足並みを揃える
「委託元である東京海上日動と、当社の本社および各センター代表者を交えたオンライン打ち合わせが実施され、そこから本格的にプロジェクトがスタートしました。」
打ち合わせ後には全国6拠点の対応件数が割り当てられ、それを超えた分は全て統括を担う仙台センターが引き受けることになった。

ALを発信するというシンプルな業務とはいえ、全社で足並みを揃えて動く必要がある。日頃からALを活用しているセンターもあれば、そうではないところもあった。全員が迷わず同じように対応できるよう、松島は伝え方にも配慮しつつプロセスを構築していった。
「各センターの進捗状況はどのタイミングで確認するのか、AL送付漏れを防ぐにはどのようにチェックしたらよいのか等、検討すべきことはたくさんありました。仙台センター内であればそのときの状況がすぐに把握できますが、遠隔地にあるセンターとなるとそうはいきません。そこで、データ管理場所を新しく準備し、全センターがお互いの進捗を確認できるようにするなど、可能な限りの方策を講じていきました。」
浮上してきた難題を解決したのは
雑談から生まれたちょっとしたアイディア
洗い出した課題や懸念点をひとつひとつ解消し、業務の手順書も完成まであと少しというところで、ある問題が浮上した。仙台センターと福岡センターにおいて、AL発信件数がシステムの限度を超えてしまうことが判明したのだ。しかし、今から件数の割り当てを見直すのは現実的ではない。
ちょうど頭を悩ませていた頃、同僚との雑談の中で、こんなアイディアが生まれた。
「仙台センターの別チームのAL発信システムを使用すればいいのでは?と考えついたのです。別チームは発信容量に多少余裕があり、これならば必要最小限の修正で対応が可能だと思いました。」
「自分たちだけでどうにかしようとするのではなく、チームを跨いだ協力を得ることで、システムがパンクする事態を避けることができました。」
2023年2月1日、予定どおりAL発信業務が全国でスタート。進捗状況をこまめに共有しつつ、送信エラーへのフォロー等をスピーディーに対応したことで、本来の納期よりもはるかに早く対応が完了した。松島の終了報告に対し、本プロジェクトに参加した各拠点の担当者から、「統括がしっかりと対応してくださったので安心して進められました。ありがとうございました。」というメールが届いたとき、松島はこれまでの努力が報われたと感じ、達成感でいっぱいになったという。
「まだ入社2年目の若手が統括で大丈夫かな、と不安に思った社員もいたはず。でもZoomやTeams、電話等で頻繁に連絡を取り合ううちに、物理的な距離は遠くても、気持ちがグッと近くなったのを感じました。これからも、こうした業務に貪欲に挑戦していきたいです。」
仙台センター全体と全国の拠点を巻き込み、ひとつのプロジェクトをまとめあげた経験は、松島に大きな成長をもたらした。
