思いもよらないチャンスが到来
未経験分野への挑戦
入社3年目、幕張センター所属の白石明里に大きな挑戦の時が訪れていた。これまで白石が担当していたのは、従来受託してきた事務プロセスがすでに整っている業務ばかりだったが、スタッフマネジメントも含めた社員業務にようやく慣れてきたこのタイミングで、新規業務のリーダーに抜擢されたのだ。
「もちろん、いつか挑戦したいとは思っていましたが、まさかこんなに早くリーダーを任されるとは思っていなかったので、正直、戸惑いと不安がほとんどでした。」と、白石は当時を振り返る。

彼女の丁寧で着実な仕事ぶりは上司からも高く評価されていた一方、新しい事務プロセスをゼロから組み立てていく力量は未知数だった。しかし、この挑戦が彼女を飛躍的に成長させることになる。
このプロジェクトで扱う保険は、当然ながらまったくの未経験分野。白石はまず、これまでどのような流れで手続きを進めていたのか、その詳細を東京海上日動に教えてもらうことから始めた。
代理店や営業の負担軽減だけでなく
お客様の分かりやすさを追求する
「これまで代理店さんや東京海上日動の営業担当の方々がやっていたとおりの手順で対応するのではなく、自分たちが受託する以上は、さらにブラッシュアップして、効率的かつ精度の高いプロセスに組み立て直したい。その想いを胸に、実際に『超保険相続手続き業務』がスタートするまでの約8ヶ月間、試行錯誤を繰り返しました。」
今回のプロジェクトでは、相続する補償内容の確認や、必要書類についての問い合わせ対応など、お客様と電話で直接やり取りをすることになる。そのため白石は、お客様の目線で考えることを意識しながら、あらゆる状況を想定し、起こりうる問題点をひとつひとつ洗い出した。
「保険知識が豊富ではないお客様にとって、超保険相続はどうしても難しい話になってしまいます。どのような手順で、どのような言葉を使って説明すれば理解していただけるのか、どうすればお客様の書類の記入ミスを防げるかなど、実際に業務が開始になったときのことをできるだけ具体的にイメージしながら検討を行いました。」
しかし、プロジェクトリーダーとして1人で頑張ろうとするあまり、一時は思考が空回りするような状態に陥ってしまったこともあったという。そこで白石は、チーム内だけでなく幕張センター内のメンバー全員に協力を仰ぎ、一緒に課題の洗い出しを進めることにした。

「チームメンバー以外の視点も取り入れることで、よりお客様に寄り添ったプロセスにできると考えたのです。」
白石が大切にしたのは、代理店や東京海上日動の事務の負担を軽減することと、お客様にとっての“分かりやすさ”を追求することだった。
「できる限り分かりやすい書類をお届けしたい。あるいは、できる限り分かりやすくご説明したい。大切な人を亡くされて大変な状況にあるお客様の気持ちに寄り添いながら、いかに正確かつ効率的に保険の相続手続きを進めていくことができるか。この経験から、今まで以上に相手の立場を大切にしながら物事を考えるようになりました。」
あらゆる場面で感じる達成感を励みに
“考え”を“行動”に移すことを意識する日々
約8ヶ月の準備期間を経て、2023年1月から幕張センターにて「超保険相続手続き業務」の受託を開始した。業務にあたるのは、社員と派遣スタッフ総勢6名。
「お客様と直接お電話でやり取りすることには慣れていなかったので、最初は緊張しました。じつは、今も少し緊張します。」と白石は苦笑しつつ、言葉を続けた。
「でも、私の説明で少しでもお客様の不安を取り除くことができたと感じたときや、必要書類の作成を進めていく中で、代理店さんから“助かりました”という言葉をいただいたときには、達成感を感じます。」
新しいプロジェクトが順調に滑り出した今、どのような課題と向き合っているのだろうか。

「私は、考えている時間がやや長すぎるという自覚があります。“考える”ことは大切ですが、自分の頭の中でぐるぐると考え続けていても、答えは見えてきません。もっと周囲に自分の意見を発信してみるとか、試しにやってみるといった“行動”に移すことが重要だと痛感しています。プロセスを組み立てる際も、問題になりそうなあらゆる要因を洗い出し、それを完全になくすことに必死になっていましたが、実際に業務がスタートしてみると想定していたことはほとんど起きませんでした。だから、あそこまで必死に考える必要はなかったようにも感じています。もちろん、お客様の大切な保険に関わる業務ですから完璧なプロセスを組み立てるべきですが、早めに“行動”することで、仕事全体のスピード感と精度の両方を上げていくことができると考えています。」